2000年11月 佐川文庫 佐川千鶴この佐川文庫は、1984年から93年まで水戸市長をつとめた故佐川一信のメモリアルホールである。
彼は論理の人であって「誰の責任によって、どんな法律で、どんな権限に基づいて、行政が行われているのか、それを市民の前に明らかにすること。それが行政の一切の前提でなければならない」と論じて水戸市政を推進した。
彼はまた情熱の人であって、文学、音楽、芸術をこよなく愛した。若き日のひとつの夢は、「僕の好きな本や音楽を集めて『佐川文庫』として一般に公開したい」ということであった。このことを遺志として受け止め引き継いだ者たちが彼の早世後五年にして辿り着いたのがこの文庫である。
ここには彼の愛蔵書のほか、彼が言及したり、彼が生きていたら関心を示したに違いないと思われるものを補充した約五万冊の書籍と、二万五千枚のクラシックCDを収めて「出発」とする。
水戸市立西部図書館にある「佐川文庫」とともに心ある皆様の活用を、そしてそこから、水戸の、21世紀への新たな活力が湧いてくることを希望してやまない。市民からの出発。